問題提起・現状認識
2024年末から2025年にかけて、バルト海で相次いだ海底ケーブルの切断事故を覚えているでしょうか。フィンランドとエストニアを結ぶ「Estlink 2」、スウェーデンとリトアニアを結ぶ通信ケーブルが立て続けに損傷を受け、欧州各国は安全保障上の危機感を一気に高めました(BBC News、2024年12月報道)。この問題は決して「対岸の火事」ではありません。日本にも、国内デジタルインフラの命運を握る海峡が存在します。津軽海峡です。
北海道と本州を隔てるこの海峡の海底には、日本列島を南北に縦断する主要な通信ケーブルが複数敷設されています。NTTコミュニケーションズやKDDI、ソフトバンクといった大手通信事業者の基幹回線が、ここを通って北海道のデータセンター群と東京・大阪の主要拠点を接続しています。つまり、津軽海峡は日本のデジタルインフラにおける「咽喉部」ーー最も細く、最も重要なボトルネックにあたります。
実は、この咽喉部への負荷が急速に増大しています。背景にあるのは、生成AI需要の爆発的な拡大です。総務省「令和6年版 情報通信白書」によれば、日本国内のデータセンターサービス市場は2023年時点で約2兆3,000億円規模に達し、年率20%超の成長を続けています。北海道は冷涼な気候を活かした大規模データセンターの誘致を積極的に進めており、ラピダスの千歳進出に代表される半導体関連投資とあわせて、北海道〜本州間のデータトラフィックは今後さらに膨らむ見通しです。
ここに重要な論点が3つあります。
第一に、帯域の物理的な限界。海底ケーブルは光ファイバーの束であり、増設には数年単位の計画と巨額の投資が必要です。陸上のネットワークのように短期間で回線を追加することはできません。
第二に、冗長性(バックアップ経路)の脆弱さ。津軽海峡を迂回するルートは限られています。日本海側を経由する代替経路は存在しますが、帯域・遅延の両面で主要経路の完全な代替にはなりません。もし地震、漁業活動による損傷、あるいは意図的な破壊行為で複数のケーブルが同時に被害を受ければ、北海道全域の通信品質が大幅に低下する可能性があります。
第三に、地政学的リスクの高まり。津軽海峡は国際海峡であり、外国艦船の通過が認められています。2022年以降、周辺海域での外国軍の活動は活発化しており、防衛省の年次報告でも繰り返し言及されています。海底ケーブルへの物理的な脅威は、もはや想定外のシナリオではありません。
正直なところ、これまで海底ケーブルのリスクはインフラ事業者と一部の安全保障専門家の間でしか議論されてきませんでした。しかし、生成AIの普及によってデータトラフィックが桁違いに増加する2026年の今、この問題はすべてのクラウドサービス利用企業にとって現実的な経営リスクとなっています。AWS、Azure、Google Cloudを利用する企業が、自社のサービス可用性を左右するインフラの「最も弱い環」を意識すべき局面。それが現在地です。
データに基づく現状分析
津軽海峡の海底ケーブルが抱えるリスクを正確に把握するには、まず日本のデータトラフィックがどれほどの勢いで増加しているかを数字で確認する必要があります。ここでは3つのデータポイントから現状を整理します。
データポイント1:国内トラフィック総量の急増
総務省が2025年7月に公表した「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」によれば、2024年11月時点の国内インターネットトラフィック(ダウンロード)は約42.7Tbpsに達しました。これは前年同期比で約24.0%の増加です。注目すべきは増加ペースの加速です。2020年から2022年頃は年率15〜20%程度で推移していましたが、生成AIサービスの本格普及が始まった2023年以降、増加率は明らかに上振れしています。
ちなみに、この数値はあくまで「平均値」です。ピーク時のトラフィックはこの1.5〜2倍に達するとされています。海底ケーブルの容量設計はピーク時の負荷に耐えられるかどうかが問われるため、平均値だけを見ていては実態を見誤ります。
データポイント2:北海道データセンター投資の集中
北海道への大規模データセンター投資が相次いでいる事実。これが津軽海峡の帯域問題を一段と深刻にしています。
経済産業省は2024年4月、「データセンター拠点整備に向けた支援」として、北海道を含む国内複数地域への大規模データセンター整備を後押しする方針を打ち出しました。北海道が選ばれる理由は明快です。年間平均気温が低く、サーバー冷却にかかる電力コストを大幅に抑えられること。さらに、再生可能エネルギー(風力・太陽光)の供給ポテンシャルが高く、カーボンニュートラルを目指す企業にとって魅力的な立地であることが挙げられます。
さくらインターネットは石狩データセンターの拡張を進めており、政府のクラウドインフラ「ガバメントクラウド」のサービス提供事業者にも選定されています(デジタル庁、2023年11月発表)。加えて、北海道千歳市にはラピダスの半導体工場建設が進行中であり、周辺にはAI関連のデータ処理需要が集積する見通しです。
こうした投資が実を結ぶほど、北海道と本州を結ぶデータ通信量は増大します。そのすべてが津軽海峡の海底ケーブルを経由する。帯域逼迫リスクが構造的に高まっている背景がここにあります。
データポイント3:海底ケーブル障害の発生頻度
国際ケーブル保護委員会(ICPC:International Cable Protection Committee)の統計によれば、世界全体で年間150〜200件程度の海底ケーブル障害が報告されています。原因の多くは船舶の錨(いかり)による損傷や漁業活動に伴う切断です。自然災害や意図的な破壊行為の割合は相対的に小さいものの、近年は増加傾向にあると指摘されています。
日本周辺でも海底ケーブル障害は珍しくありません。2024年2月には、トンガ沖の海底火山噴火に伴う海底ケーブル損傷の復旧に長期間を要した2022年の事例がITU(国際電気通信連合)のレポートで改めて分析され、島嶼国・海峡依存型のインフラ脆弱性が強調されました。日本の状況もこの類型に当てはまります。
実は、海底ケーブルの修理には専用の敷設船が必要であり、世界全体で稼働可能な船舶は約60隻にすぎません(TeleGeography、2024年データ)。障害が同時多発的に起これば、修理の順番待ちが発生する可能性もあります。津軽海峡で大規模障害が起きた場合、北海道のクラウドサービス利用企業は数日から数週間にわたってサービス品質の低下を覚悟しなければなりません。
3つのデータが示す構図
整理すると、以下の構図が浮かび上がります。
- トラフィックは年率20%超で増加し、2026年時点でも減速の兆しはない
- 北海道へのデータセンター集中投資により、津軽海峡経由の通信量は今後さらに膨張する
- 海底ケーブル障害は確率的に発生し続けており、修理リソースには世界的な制約がある
需要は急増、供給(帯域・冗長性)は硬直的、障害リスクは常に存在する。この3要素が重なるポイントこそ、津軽海峡の海底ケーブルにほかなりません。次のセクションでは、なぜこの状態が放置されてきたのか、その要因を3つの視点から掘り下げます。
構造的な要因の分析
前のセクションで示したとおり、津軽海峡の海底ケーブルには「需要急増・供給硬直・障害リスク常在」という三重の圧力がかかっています。では、なぜこの状態がここまで放置されてきたのでしょうか。ここでは3つの視点から要因を掘り下げます。
視点1:通信インフラ投資の「見えにくさ」
最大の要因は、海底ケーブルという資産の性質そのものにあります。海底ケーブルは文字どおり海の底に沈んでおり、日常生活で目にする機会はありません。基地局の鉄塔や光ファイバーの電柱のように、街中で存在を意識することもない。つまり、利用者にとって完全に「見えないインフラ」です。
見えないインフラには、投資の優先順位が上がりにくいという宿命があります。通信事業者の設備投資計画を見ると、5Gエリアの拡大やデータセンター新設といった「見える成果」を伴う項目が上位に並びます。総務省「令和6年版 情報通信白書」でも、国内通信事業者の設備投資額は2023年度で約4兆円規模に達していますが、その内訳で海底ケーブルの新設・増強が占める割合は公開情報からは極めて小さいことがうかがえます。
海底ケーブルの敷設コストは1kmあたり数千万円から数億円とされ、総延長が数百kmに及ぶ津軽海峡ルートの増強には数百億円規模の投資が必要です。しかも、敷設には環境影響評価や漁業権との調整が不可欠で、計画から運用開始まで最短でも3〜5年を要します。投資回収の時間軸が長く、株主への短期的なリターンにつながりにくい。通信事業者にとって「やるべきだが、後回しにしやすい」投資領域になっている実態があります。
視点2:制度設計の空白地帯
2つ目の要因は、海底ケーブルの保全に関する制度的な枠組みが十分に整備されていない点です。
日本の電気通信事業法は、通信事業者に対してネットワークの安定運用を求めています。しかし、海底ケーブルの冗長性(バックアップ経路の確保)について、具体的な数値基準や義務規定は設けられていません。陸上の通信網であれば複数ルートの確保が事実上の業界標準になっていますが、海底ケーブルについては事業者ごとの判断に委ねられています。
実は、この問題は国際的にも議論が進み始めています。NATO(北大西洋条約機構)は2023年、海底インフラ保護のための「マリタイム・クリティカル・インフラストラクチャー・コーディネーションセル」を設置しました。欧州連合(EU)も2024年に海底ケーブル保護に関する勧告を採択し、加盟国に冗長性の確保と監視体制の強化を求めています(European Commission、2024年2月発表)。
一方、日本では2024年12月に改定された「国家安全保障戦略」の関連文書で海底ケーブルの重要性への言及はあるものの、具体的な保護法制や冗長性基準の策定には至っていません。防衛省と総務省、経済産業省の所管が分かれていることも、統一的な政策形成を遅らせている一因です。縦割り行政の典型的な弊害と言えます。
視点3:地政学リスクの「過小評価」
3つ目の視点は、日本国内における海底ケーブルへの地政学リスク認識の低さです。
津軽海峡は国連海洋法条約上の「国際海峡」に該当し、すべての国の船舶に通過通航権が認められています。防衛省「令和6年版 防衛白書」によれば、津軽海峡を含む日本周辺の国際海峡では、中国・ロシア両国の艦艇による通過が近年増加傾向にあります。2021年10月には中露の艦艇が共同で津軽海峡を通過した事例も報告されています。
こうした軍事的活動が直ちに海底ケーブルへの脅威になるわけではありません。しかし、バルト海での事案が示したように、平時と有事の境界が曖昧な「グレーゾーン事態」において海底インフラが標的となるリスクは現実のものです。英国のシンクタンクPolicy Exchangeが2024年に公表したレポートでは、海底ケーブルの切断が「ハイブリッド戦争」の手段として利用されうると明確に指摘されています。
正直なところ、日本の議論は「物理的な切断」よりも「サイバー攻撃」に偏重してきました。もちろんサイバーセキュリティも重要です。しかし、物理層(ケーブルそのもの)が断たれれば、その上に載るすべてのデジタルサービスが停止します。サイバー防御をいくら強化しても、物理的な断線には無力。この事実が十分に認識されてこなかったことが、対策の遅れにつながっています。
3つの視点が重なる構図
まとめると、津軽海峡の海底ケーブル問題が放置されてきた背景には、以下の3つの要因が複合的に絡み合っています。
- 投資の見えにくさ:回収期間が長く、株主・経営層の関心を引きにくい
- 制度の空白:冗長性や保護に関する具体的な基準・法制が未整備
- リスク認識の偏り:サイバーに比べ、物理的脅威への備えが後手に回っている
どれか1つだけが原因ではありません。3つが同時に存在するからこそ、問題が長期にわたって見過ごされてきたのです。次のセクションでは、この状況に対して各プレイヤーがどのような動きを見せているのかを比較していきます。
プレイヤーごとの戦略比較
津軽海峡の海底ケーブル問題に対し、各プレイヤーはどのように動いているのでしょうか。通信事業者、クラウド事業者、そして政府。この3つのカテゴリに分けて、それぞれの戦略と温度差を整理します。
通信事業者:NTT・KDDI・ソフトバンクの三者三様
国内海底ケーブルの敷設・運用を担う中心的な存在は、NTTグループ、KDDI、ソフトバンクの大手3社です。
NTTグループは、グループ全体の長期戦略「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想」の中で、光技術による通信容量の飛躍的拡大を掲げています。NTT(持株会社)は2024年度の設備投資額として約6,900億円を計上しており(NTT 2024年度決算資料)、その一部は国内バックボーン回線の増強に充てられています。ただし、津軽海峡ルートに特化した増強計画は、2026年7月時点で公式には明示されていません。IOWNの商用展開は2030年が本格化の目標であり、現時点では研究開発フェーズの色合いが強い状況です。
KDDIは国際海底ケーブル事業で豊富な実績を持つ通信事業者です。「JUPITER」「SJC2」など太平洋横断ケーブルへの出資・運用を手がけており、海底ケーブルの敷設・保守に関するノウハウは国内随一と言えます。一方で、国内区間の海底ケーブル増強については、同社もまた具体的な投資計画を積極的に公表していません。国際ケーブルに比べて、国内海底区間への投資は「地味だが重要」な領域。ここに経営資源をどう配分するかが問われています。
ソフトバンクは、やや異なるアプローチを見せています。同社は2024年以降、AI基盤整備への大規模投資を打ち出しており、国内データセンターの拡充に注力しています。ソフトバンク 2025年3月期決算説明会では、AI関連インフラへの投資加速が改めて強調されました。ただし、データセンター間を結ぶ「足回り」のインフラ、すなわち海底ケーブル区間への具体的な言及は限定的です。
3社に共通しているのは、海底ケーブルの重要性を認識しつつも、個社単独での大規模投資に踏み切りにくいという事情です。海底ケーブルは複数の事業者が共同利用する性質上、投資の成果を自社だけで囲い込みにくい。いわゆる「フリーライダー問題」が発生しやすい領域です。
クラウド事業者:AWS・Azure・Googleの「北海道戦略」
実は、海底ケーブル問題に最も敏感なのは、通信事業者よりもクラウド事業者かもしれません。
AWS(Amazon Web Services)は2024年、日本国内への今後数年間で2兆2,600億円超の投資計画を発表しました(AWS公式ブログ、2024年1月発表)。この投資にはデータセンターの新設・拡張が含まれ、東京・大阪リージョンの強化が柱となっています。北海道への直接的なリージョン開設は現時点で発表されていませんが、国内トラフィック増への対応は最優先事項に位置づけられています。
Google Cloudは「Pacific Connect」イニシアチブの一環で、日本周辺の海底ケーブルネットワークへの投資を拡大しています。2024年には日本とカナダを結ぶ新たな太平洋横断ケーブル「Topaz」の運用を開始しました。国際接続の冗長性強化という点では先行している一方、国内海底区間への直接的な関与は限られます。
Microsoft Azureも日本での投資を積極化していますが、やはり焦点はデータセンター拠点の拡充です。海底ケーブル区間については通信事業者への依存度が高く、自社でコントロールしにくい領域。ここがクラウド事業者共通の課題です。
政府の動き:遅れてきた本丸
政府レベルでは、デジタル庁と総務省の動きが注目されます。デジタル庁は2025年6月に「デジタルインフラの強靱化に関する基本方針」を公表し、海底ケーブルを含む通信基盤の冗長性確保を重点項目に位置づけました。しかし、具体的な予算措置やタイムラインは今後の検討課題とされており、実行段階には至っていません。
総務省は2025年度から「海底ケーブルの多ルート化に関する調査研究」を開始しています。津軽海峡に限らず、国内の海峡・海底区間の脆弱性を網羅的に評価する取り組みです。ただし、調査から実際の敷設計画策定までにはさらに数年を要する見通しです。
プレイヤー間の「すき間」
各プレイヤーの動きを並べると、明確な空白地帯が見えてきます。通信事業者は個社判断の壁、クラウド事業者は通信レイヤーへの関与限界、政府は制度設計の途上。誰もが重要性を認めながら、誰も決定的な一手を打てていない。この「すき間」こそが、津軽海峡の海底ケーブルリスクを放置させている最大の理由と分析できるでしょう。
今後の予測と提言
ここまで見てきたとおり、津軽海峡の海底ケーブルは「全員が重要だと認めながら、誰も決定的な手を打てていない」状態にあります。では、今後3〜5年でこの問題はどう動くのでしょうか。私は2つのシナリオを想定しています。
シナリオA:官民連携が機能し、2029年までに冗長性が確保されるケース
これが望ましい方向です。デジタル庁が2025年6月に公表した「デジタルインフラの強靱化に関する基本方針」が実行フェーズに移行し、2027年度までに津軽海峡の海底ケーブル増設に関する具体的な予算措置が講じられる。通信事業者3社(NTT・KDDI・ソフトバンク)がコンソーシアム形式で共同投資に合意し、敷設計画が動き出す。このシナリオでは、2029年頃に新規ケーブルの運用開始が見込めます。
実は、このモデルには先行事例があります。欧州では、EUが2024年に採択した海底ケーブル保護勧告を受けて、北海・バルト海での多ルート化プロジェクトが複数始動しています。European Commissionの2024年2月発表によれば、加盟国間の共同投資スキームが具体化しつつあり、官民の費用分担モデルが形になりはじめています。日本がこの欧州型を参考にできるかどうかが、最初の分岐点です。
シナリオB:対応が遅れ、障害発生後に「事後対応」に追われるケース
正直なところ、現時点ではこちらの可能性が高いと見ています。政府の調査研究は2025年度に始まったばかりです。調査結果の取りまとめ、法制度の検討、予算要求、環境影響評価、漁業権調整。すべてを順番にこなせば、新規ケーブルの着工は早くても2028年度以降。運用開始は2030年代にずれ込みます。
その間にトラフィックは増え続けます。総務省の統計が示す年率20%超の増加ペースが続けば、2028年時点の国内トラフィック総量は2024年比で約2倍。北海道のデータセンター稼働が本格化するタイミングと重なれば、津軽海峡経由の帯域利用率は危険水域に達する可能性があります。そこに1本のケーブル障害が起きれば、北海道拠点のクラウドサービスに大規模な遅延・断絶が生じる。事後対応型の危機管理に陥るシナリオです。
3つの提言
2つのシナリオの分岐を左右するのは、今後2年間の意思決定です。以下の3点を提言します。
第一に、政府主導の投資枠組みの早期構築。海底ケーブルは公共財としての性格が強く、個社の投資判断に委ねるだけでは不十分です。デジタル庁・総務省・経済産業省の縦割りを超えた統一的な司令塔を設置し、2027年度予算での具体的な補助スキーム策定を求めます。
第二に、通信事業者間のコンソーシアム形成。NTT・KDDI・ソフトバンクの3社が共同出資する「津軽海峡ケーブル増強コンソーシアム」の設立。フリーライダー問題を解消し、投資リスクを分散する仕組みが不可欠です。
第三に、クラウド事業者を含むマルチステークホルダー協議の場の創設。AWS・Google Cloud・Microsoft Azureといったハイパースケーラーも、自社サービスの可用性に直結するこの問題の当事者です。通信レイヤーへの関与を「他人事」にさせない枠組みが今後の鍵となります。
津軽海峡の海底ケーブルは、日本のデジタル経済を支える「見えない生命線」です。見えないからこそ、意識的に光を当てなければ対策は進みません。生成AIとデータセンター需要が急拡大する今この瞬間が、行動のタイムリミット。2026年の判断が、2030年代の日本のデジタル競争力を決定づけると分析できるでしょう。
